妊娠前期・後期の食事
妊娠中に心がけることは、妊娠中毒症と貧血を予防することです。
妊娠前期は、胎児の発育も少ないことから、それほどエネルギーを必要としません。また、つわりがひどい方もいらっしゃいますから、さほど食事に神経質にならなくてもいいでしょう。
逆に、食べすぎで太ってしまわないように気をつけます。
妊娠中の体重の増加は、多くても10キログラム程度が妥当とされます。
1週間に500グラム以上も体重が増加するのは、少し注意が必要かもしれませんね。
妊娠に太りすぎると、妊娠中毒症や糖尿病の危険が高まり、分娩時の障害も懸念されます。
もともと太っている方のなかには、妊娠中に体重を増やす必要がない方もいらっしゃいます。肥満傾向のある方は、妊娠前期には、むしろ減食する必要がある場合もあるのです。
妊娠前期は、1日1950キロカロリーを基本とします(肥満傾向のない人の場合)。
十分に摂取するよう心がけるのは、たんぱく質とカルシウムです。
たんぱく質は、貧血予防も考え、動物性のものをとります。
カルシウム補給には、牛乳やヨーグルトなどの乳製品が良いでしょう。
牛乳は、そのまま飲むのが苦手な方は、料理に使用しましょう。クリームシチューやスープに入れると簡単にとれますよ。
ただし、つわりの時期は、まだ赤ちゃんもさほど成長しませんから、あまり気にせず、食べられるものを少しずつ食べるようにし、気持ちを楽にして充分に心身を休めてください。
嘔吐がある方は、ミネラルと水分を補給するために、果汁を召し上がってください。
妊娠後期は、胎児の発育の盛んになりますし、つわりの時期もすぎて食べやすくなります。
胎児の成長分も含めて、1日に2150キロカロリー程度をとるのが妥当とされます。
たんぱく質、カルシウム、鉄分を充分にとるように心がけ、妊娠中毒症や貧血を予防します。
たんぱく質は、妊娠していないときよりも多く、80グラムを目安にします。
たんぱく質は、鉄分の補給も考え、卵や肉、魚、牛乳など動物性のものをとるようにしましょう。
もちろんレバーはすばらしいたんぱく源であり、鉄分の理想的な補給源です。
普段は苦手、という方も、是非、食べてみてください。レバーは、少し牛乳につけておくと、臭みがとれて食べやすくなりますよ。
また、植物性のたんぱく質としては、豆腐、油揚げ、厚揚げ、など、大豆製品がいいです。
カルシウム源には、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品がいいです。その他、小魚やひじき、それに緑黄色野菜もミネラルが豊富です。
牛乳は、そのまま飲むのが苦手な方は、料理に使用しましょう。
ホワイトソースにたっぷりと入れて、グラタンやドリア、ホワイトシチューにしてもいいですね。
肥満気味の方は、糖分や脂肪を取り過ぎないようにします。フライパンをシルバーストーン加工、フッ素樹脂加工のものにすると、料理に油を使いすぎなくてすみます。
また、むくみや妊娠中毒症の予防のために、塩分や水分は控えめにします。
サラダにドレッシングをかけすぎると、塩分や油脂をとり過ぎてしまいます。
酢の物にし、三杯酢でいただいてもおいしいですよ。