妊娠中の薬剤の使用
妊娠中の健康管理
妊娠中に特に注意しなくてはならないことに薬剤の使用や放射線の照射があります。
器官形成期ともいわれる、妊娠初期(妊娠1ヶ月~4ヶ月、妊娠0~15週)は、受精卵から胎芽(たいが)、胎児へと成長するなかで、身体の各部分の基盤が形成され、それぞれの器官に分かれて人間としての形成を整えていく時期です。
この時期に薬剤や放射線の影響を受けると、胎児の発育に障害がおよぶ恐れがあります。
奇形の発生頻度が最も高いことから、この時期を「臨界期(りんかいき)」と呼びます。
一般には、2週~12週までが、臨界期とされます。
しかし、臨界期以外は安心できるのか、というとそういうわけでは決してありません。
妊娠12週になると、胎児の内臓はほとんどが完成し、心臓の働きが活発になります。
たとえ胎盤が完成しても、ほとんどの薬剤は容易に胎盤をすり抜け、母体から胎児に移ってしまうのです。
胎児の肝臓の働きは未熟ですので、解毒能力も低く、薬剤の影響をストレートに受けてしまいます。
妊娠中には、特に、催眠薬、鎮痛薬、ホルモン薬、抗生物質は避けましょう。どうしても必要な場合は、医師に相談し、指示を求めます。
また定期予防接種については、予防接種施行規則によって、妊娠中に接種が禁止されているものが幾つかあります。
・ポリオ(急性灰白髄炎)
・風疹
・麻疹
これらのような生ワクチンを用いるものは、妊娠全期間を通じて接種を控えます。
特に風疹は、接種後、2ヶ月は避妊が必要です。