悪阻(おそ)の原因と改善法
妊娠中の健康管理
妊娠悪阻(にんしんおそ)というのは、つわりが重症になったものをいいます。
原因は、ホルモンバランスや、栄養、心理状態などさまざまな要因が絡んで生じますが、はっきりとした原因は不明です。
つわりで嘔吐が続き、しっかりとした栄養がとれない場合に、栄養素やミネラル、水分などが不足することから、胃液や胆汁が失われる結果、内臓にさまざまな障害が生じ、重症化します。
悪化すると、人工中絶をせざるを得ない場合もありますが、そこまでいくことはまれで、たいていは改善します。
以下の症状を「つわり」の症状といいます。
●1日に5回以上の嘔吐がある。
●食事量が半分以下になる。
●体重が5キログラム以上減少する。
●気分が悪くて起き上がれない。
これらの症状がひどくなると、「悪阻(おそ)」と呼ばれます。
悪阻は段階によって1~3に分かれます。
1段階・・・脱水症状を起こし、低栄養状態となります。
【症状】
●空腹時に胃液や胆汁を吐く。
●尿量の減少。
●体重の減少。
【病態】
●嘔吐がやまず、何度も繰り返す。
●栄養摂取不足。
【対応】
●厳重な管理のもと、鎮痛薬、心理療法、鎮吐薬、補液療法。対処療法が中心となります。
2段階・・・中毒症状を起こします。
【症状】
●著しい体重の減少。
●頻脈。
●発熱。
●黄疸。
【病態】
●肝機能障害
●腎機能障害<
●物質代謝障害
【対応】
●集中管理
●人工妊娠中絶
3段階・・・脳症状を起こします。
【症状】
●神経症状
●反射低下
●自然流産
【病態】
●意識障害